5月26日・27日は、
三重県志摩市においてG7伊勢志摩サミットが開催されます。
G7(フランス、アメリカ、イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)の
政府首脳が集まり、世界が抱える重要課題が議論されます。
それに先立つ5月23日・24日に開催される市民サミットは、
G7の政策に市民の視点が反映されるよう、
開催地域・国内外のNPO/NGOが集まって、
市民からの提言をまとめる場です。
16のテーマごとに分科会をもち提言をまとめ、市民宣言を発信します。
AHIが担当するのは、
「グローバル化と草の根の人々の健康」というテーマ。
分科会を行い、下記の提言(案)を参加者と最終化します。
各国政府に提言するためには、一人ひとりの市民の参加が重要です。
下記の提言(案)をお読みいただき、
賛同される方は、ぜひ下記のサイトから、あなたの想いを届けてください!
■賛同します!という方はこちらのサイトから。
https://docs.google.com/forms/d/1cec6iD0xSMsE2DxetZNN0uS7EfrC5I951esQlh1wpiE/viewform■「グローバル化と草の根の人々の健康」分科会への参加もよろしくお願いいたします。
分科会チラシ下記参照、もしくは下記サイト↓
http://ahi-japan.sakura.ne.jp/xcl/uploads/wp-content/uploads/2016/05/c1f0063f607ff23246f48ff78a57cc96.pdf参加します!という方はAHI(info@ahi-japan.jp)、
もしくは市民サミットweb参加申し込みフォームから↓
http://tokaicn.jimdo.com/%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%99%E3%82%8B/%E4%BC%8A%E5%8B%A2%E5%BF%97%E6%91%A9%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%88%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%8F%82%E5%8A%A0%E7%94%B3%E8%BE%BC/また、シェアをどうぞ、よろしくお願いいたします。
提言書はここからです♪
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G7伊勢志摩サミット開催地域の市民社会からの提言
私たちG7伊勢志摩サミット開催地域の市民社会は、地域課題とグローバルな課題のつながりを深く認識し、2016年5月24日「市民の伊勢志摩サミット」で採択された私たちの意思を、G7各国首脳に提言します。
【グローバリゼーションと健康】
途上国の人々の健康と先進国から進出企業の責任ある対応
【現状と趣旨】
開発途上国におけるグローバリゼーションと経済発展の影で、住民がどのような影響を受けてきたか。その一例として南インドの経済特区の土地開発によって生活と生業に影響を受けたダリット(カースト制度の外に置かれた人びと・被差別民)の人たちの反対運動の事例を挙げます。一方、当事者以外に市民活動家や研究者など多様なアクターが連携し、患者への支援と規制を実現した四日市公害の経験をひもとくことを通して、国際協力を通して途上国の人びとの健康に寄与しようとする立場から何を学ぶことができるかを考えたいと思います。
【事例概要】
南インドの都市、チェンナイ近郊に2007年に開かれた経済特区(タミルナド州産業振興公社による)では、フランスの企業が2008年から操業を開始しました。この経済特区はもともと自然の森林があり、そこに住むダリットの人たちはその森林を共有地として、薬効を持つ木や草を伝統療法として活用し、そこからの豊かな水を利用して、畑や稲作で生計を立てていました。経済特区の整備に伴い、共有地は破壊され、道路ができたために水源がたたれ、灌漑のための水を失うことになり、また森からの採取物に頼ることもできなくなりました。
ダリット解放運動や環境保護運動などの市民社会のアクターたち、学術関係者などの支援を受け、2013年にインド国内において州の公社を相手取って裁判を起こしました。またフランスにおいても環境や生活を脅かしたとしてこの企業を訴えました。しかしながら双方の裁判において敗訴しました。
当分科会を担当するアジア保健研修所(AHI)では主催するスタディツアーで2013年以降3回、現地を訪問し、ダリット活動家たちと対話、住民からのヒアリングを行いました。また資料を現地の住民組織やNGOから入手しました。
【提言 − グローバルな取り組みの必要性】
1946年に出された世界保健機関(WHO)憲章では、健康とは単に疾病でないとか虚弱でないということでなく、身体的にも精神的にもまた社会的にも良好な状態であると定義されています。また、人種、宗教、政治信条や経済的・社会的条件によって差別されることなく、健康を享受できることは、あらゆる人々にとっての基本的人権のひとつであるとうたわれています。
1978年にはWHOとユニセフが主催し多くの国と国際機関が参加した国際会議において「2000年までにすべての人に健康を」(Health for All by 2000)を掲げたアルマ・アタ宣言が出され、そのための方策として、地域住民の参加と予防接種など基本的保健サービスの充実が必要であると強調されました。
その後今に至るまで、様々な取り組みが、各国政府、国際機関および多くの市民社会のアクターによって行われてきました。この間改善の一方で、むしろ新たな脅威も増大しました。経済成長優先の陰で、人びとの健康が脅かされている現実が世界中で見られます。
2008年に出されたWHOの「健康の社会的決定要因委員会の最終報告では、個々人の健康がその人が置かれた社会的条件に決定される現実を示し、格差を解消し健康の公平性を確保しなければならないと述べています。そしてそのためには、国際、国内、あるいは地域レベルにおける権力やリソースの不公平な分配に対応することが不可欠であるとしています。この勧告は、経済成長がむしろ格差を増大させているという現実の裏返しとも言えるでしょう。
我が国において、かつての1950年代半ば以降の高度成長期、急激に進んだ工業化が全国各地で人びとの健康と暮らしを壊し、「公害」という言葉が生み出されました。四日市では、当時国策として推進され、地元としても積極的に誘致された石油化学関連産業により、海の汚染が起こり沿岸住民の生業であった漁業ができなくなりました。そしてまもなく大気汚染による甚大な健康被害が引き起こされました。
このように権力と資源・資金の偏在を背景にした経済開発が、それ以前から社会的に不利な状況に置かれた人々の健康と暮らしに大きく影響することは言うまでもありません。南インドの経済特区周辺地域に住んでいるダリットの人々の事例は、世界中の多くのケースの一つです。
四日市では、当事者以外にも市民活動家や研究者など多様なアクターが連携し、患者の救済と規制強化を求める運動がおこり、その実現へと導きました。そこでは汚染物質を排出する企業の責任も問われました。近年、国連の場で「ビジネスと人権」のテーマでグローバル企業の責任が求められるようになってきましたが、これを一層進めなければなりません。
社会の発展がめざすものの重要なひとつは人びとの健康です。それを阻害している社会の不公正を正し、すべての人が健康を手に入れることができる環境を生み出すために、多様な分野にわたり、かつ多様なアクターが協力することが不可欠です。
私たちは、G7各国政府が、多様な分野にわたる健康を鍵とした政策をもって、健康格差の解消に取り組むことを求めます。特に開発途上国の経済開発において大きな存在であるグローバル企業への働きかけを含め、途上国における人びとの健康格差の改善を牽引することを求めます
Respectfully,
Asian Health Institute(公益財団法人アジア保健研修所)
Bridges in Public Health (一般社団法人Bridges in Public Health)
Save the Children Japan(公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)
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分科会チラシ↓