パキスタンの元研修生との協働事業として、
地元NGOスタッフの参加型リーダーシップ育成研修(PCLDC)
を行っています。
「AHIで体験したAHI方式の”参加型”研修を、
このパキスタンで、
研修機会の少ない小さな地元NGO向けにやりたい」
AHIの元研修生ヘクターさんのこの思いを実現するため、
ヘクターさんと、
そしてヘクターさんの長年の友人でもあり同志でもあるルフィーさんと、
そしてAHIとで、2013年から取り組んできた事業です。
最初は、手探り。
AHIの国際研修とは異なり、
期間も10日間と短く、参加者も経験年数が少ないビギナーを
対象にしていますから、まったく同じようにはいきません。
短い期間でも、参加者の主体性をできるだけ引き出し、
自分の地域ワーカーとしての在り方をふりかえられる。
より効果的にそんな場を生み出していけるよう、
毎年の振り返りを行い、
それに基づいて次年度の改善や工夫をこらしてとりくみ、
経験を積み重ねてきました。
3年目となる今年は4月1日〜10日に行われました。
過去の参加者の評判をきいて、
より、意欲高い参加者が集まり、
内容の工夫との相乗効果が生まれました。
ヘクターさんもルフィーさんも自信がついてきたようで、
「来年はAHIの事務局長や役員に見てもらいたい!」
とのこと。
そして今年からは次のステップへ。
過去の参加者たちのネットワークづくりとフォローアップ
にむけて、本格的に動き出すための計画を彼らと練りました。
元研修生とともに、パキスタンで新しい何かを起こしていく。
そんな喜びと期待で胸と頭をいっぱいにして、
帰ってきました。
そして今日、
その大切なパートナーのひとり、
ルフィーさんが、今朝、突然亡くなったという知らせ。
片腕をもがれたような、
大きな喪失感というものを、
初めて体験しました。
ルフィーさんは、まだ50代半ば。
20代に、ひとりリュックを担いで農村を回ることから
彼のNGO人生が始まりました。
「道がなければ、つくればいい」が信条。
彼自身貧しい家庭の出身で、十分な資金がなくても、
その時できることを精一杯にやり、
活用できる地域の資源を開拓していくことで、
彼自身の活動を広げていきました。
「資金がないから、人脈がないから、できない」
といっていては、地域活動なんてできない。
できるところから、始めること。
それが次の展開を生む一歩になるのだから、
と、PCLDCの参加者たちをいつも励ましていました。
いっしょにPCLDCに取り組む中で、
私自身が、ルフィーさんからたくさんのことを学びました。
ファシリテーターとして。
NGOワーカーとして。
そして、今後、より一層、
AHIのパートナーとして一緒に働いていきたいと、
思っていた方でした。
これからは、
ヘクターさんと、そしてPCLDCの参加者たちと、
彼といっしょに描いていた夢を、
実現させていくことになります。
道がなければ、つくればいい。
ルフィーさんの言葉をこれからも、持ち続けて、
とりんでいこうと思います。
PCLDCで、地域活動についてのセッションをファシリテート中のルフィーさん。
私の好きなルフィーさんのショット。
し職員